こんにちは^^
今回の症例は、
ほうれい線が気になって受診された患者様です。
これまでのヒアルロン酸注入では、
ほうれい線がお悩みの方が来られた場合、
“ほうれい線のみにヒアルロン酸を注入して、
シワをなるべく目立たなくして終わり”
という方法が主流でした。
しかし最近では、ほうれい線のでき方、
つまり老化のメカニズムに着目した注入方法が
主流になってきています。
そもそもなぜほうれい線が形成されるのか。
それには大きく分けて、2つの要因があります。
①加齢とともに重力に抗えなくなり、
上から皮膚や筋肉、脂肪等の組織が下方へ移動してくる。
②ほうれい線に一致した部分に、
皮膚と頭蓋骨をつなぐ硬い靭帯が存在している。
下図を御覧ください。
①と②により、
上から組織が落ちてきた際に、
固定された靭帯部分でたわみができて
ほうれい線やマリオネットラインを形成します。
ということは、逆に、
この要因を打ち消すように注入することで
より自然に、より効果的に、
ほうれい線を浅くすることが出来るということです。
そこで、
1.上からたるんできた組織を持ち上げる。
2.その上でシワが目立つようならほうれい線上に直接注入する。
という方法を取ります。
緑の部分がヒアルロン酸の注入箇所です。
両頬骨外側直上に注入することで、
外側上方への引き上げを図っています。
そうすることで、
顔全体のたるみを取り除きつつ、
悩みであったほうれい線を浅くすることが出来ます。
比較写真です。
ほうれい線が浅くなっているのは当然ですが、
頬の位置が高くなり、
口角のたるみも自然に目立ちにくくなっているのが
お分かり頂けると思います^^
顎のラインもスッキリしています。
(真横のお写真が分かりやすいです^^)
それともう一つ!
下を向いてもらったときの施術前後のお写真をみて下さい。
施術前は、下を向くことでほうれい線が強調されていたのに対し、
施術後は頬が高く保たれ、ほうれい線は浅いままです。
ヒアルロン酸を注入することで
組織を引き上げ、支えることが出来ている証拠です^^
上記理由から、最近ではほうれい線がお悩みの方に、
ほうれい線だけ入れるということはかなり少なくなりました。
もちろん予算の問題や、ほうれい線だけの注入を強く望まれる方には、
上記について十分ご説明させてもらった上で、
ほうれい線などのお悩みの部分にだけ注入することもあります。
いちばん大切なのは、施術後に患者様にご満足いただくことで、
こちらのエゴや知識を押し付けることではありません。
そういった意味でもやはり、
施術をする側である医師と、
施術を受ける側の患者様のイメージを一致させ、
お互いの思いの理解を深めることが重要ですね。
院長 土亀未知