私事ですが、20代前半の時
「知足庵」という
断食道場に修行に行きました。
ここは日本一厳しいと有名な
広島県安浦の野呂山で
行われる修行です。
断食しながら4泊し、
滝修行・写経・座禅・勤行・
回峰行・瞑想・作務・(護摩行)等を
行いました。
「足るを知る」という言葉、
これは実は続きがあることを
知らない人が多いんだ。
という和尚さんの投げかけに
私はよく理解ができなかったのを
覚えています。
老師は本当は何が伝えたかったのか?
と思い、論語の本を読み返してみました。
一部ご紹介いたします。
<書き下し文>
足るを知る者は富み、
強(つと)めて行なう者は志有り。
<現代語訳>
満足する事を知っている人間が
本当に豊かな人間で、
努力を続ける人間はそれだけで
既に目的を果たしている。
原文を読み私が感じたのは、
老師は
「足るを知り、満足する事を
知る豊かな人間になれ」
と言ったのではなく、
「満足することのできる
豊かな人間になり、
努力を続けることができ、
自分に打ち勝つことのできる
真に強い人間になれ」
と言いたかったのでは?
と思います。
もし「足るを知る」だけを
言葉の意味のまま受け取って
実践していると、
「目的意識を持って努力する」
という行動にはなりませんでした。
知足庵での学びを
今後の人生にも生かして
感謝の心を忘れず
過ごして参りたいと思います。
看護師 清水めぐみ